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【ドローン飛行申請に必要な10時間の飛行実績】どのように実績を積めばよいのか。

2021/7/15

2022/04/30

この記事の監修

行政書士/無人航空機従事者試験有資格者近藤 久夫

大学では理工学部機械工学科を専攻。卒業後は、半導体・液晶関連産業機械のエンジニアとして業務に従事。10年におよぶ技術系職の経験を有する。
2017年に行政書士資格を取得。技術と法律の相反する2つの視点から"空の産業革命と呼ばれるドローン産業"を支援している。

ドローン飛行申請をしようとしたときに次のような疑問を持ったことはありませんか。

許可承認を取るときに実績は必要なの?

実績ってどれくらい必要なの?

どうやって実績を作ればよいの?

ズバリ言うと、原則として10時間の飛行実績は必要です。

(ただし、あくまで原則です。厳密に言うと、たとえ10時間の飛行実績がなかったとしても許可承認をとる方法はあります。)

なぜなら、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」には次のように書かれているからです。

無人航空機の種類別に、10 時間以上の飛行経歴を有すること。

私は、この記事に書いてある手段を使って飛行実績をつくり、飛行申請を通してきました。

この記事ではどのうように飛行実績を作ることができるのかを知ることができます。

結論からすると、「自力で10時間以上の飛行経験を積むか」「お金を払ってスクールに通うか」という方法になります。

これから「飛行実績をどうしよう」と考えている方はぜひ読み進めてください。

Contents

どうやって飛行実績10時間を証明するのか

飛行実績とは、実際にドローンを飛行させた経験時間をいいます。

そして、その経験してきた時間を累計(※トータル:全部足した時間)したのものを飛行実績と呼びます。この飛行実績がドローン飛行申請をするときの壁として立ちはだかることがあります。

とりわけ初心者のころは何をどうやって良いのか分からりません。私も、これをどうやってクリアしていくか試行錯誤している時期がありました。

いま振り返って考えてみると、知識が浅かったことで悩んでいたのが原因でした。ですので、法令の内容を知って理解を深めることがなによりも大切です。

それでは、以下に飛行実績をつくるのに知っておくべきことを紹介していきます。

自力で飛行経験を積むにしても具体的にどうすればよいのか

自力で飛行実績を作るといっても具体的にどうしたらよいでしょうか。 

一番かんたんな方法としては、許可・承認申請が要らない場所や方法で操縦経験を積んでいくやり方です。

ただ、「人口密集地域(※DID地区)を避けること」と「人や物から30m以上離れた飛行」を守ることを考えると都心部や街中で飛行経験を積むことは不可能となります。

人口や建物が密集していない田舎のほうで、どこか航空法の規制に違反しない場所を見つけなくてはなりません。

人口密集地域を避けるということは非DID地区で飛ばすということです。

DID地区とは人口集中地区で、法律で飛行が禁止されている場所です。

以下の記事で非DID地区を調べる方法について解説しています。

アプリを使って許可なしで飛ばせる場所を探し出してみてください。

【ドローンの飛行禁止空域を調べる方法】許可承認申請に使える4つのお役立ちツール(アプリ)を紹介。

あと、ドローンを飛ばすときに人や建物から30メートル以上は必ず話してください。それは離着陸するときも同様のキョリ以上を離さなくてはいけませんので注意してくださいね。

屋内での練習により実績を積むという方法もある

また、別の方法としては屋内でドローンを飛ばして操縦経験を積むということです。

四方が壁で囲まれた施設内であれば航空法規制の対象から外れます。

言い換えると、許可承認がいりません。

例えば、“近くにある体育館などを借りる“などによって場所を確保することができます。

(とうぜん、体育館の施設管理者からは事前にドローンを飛ばすということで許可をもらっておかなくてはいけませんが。)

この四方を囲んだ状態ですが、仮に防護ネットなどによって覆われている場所でも良いとされています。

要は何らかの操縦ミスによって、施設外部へドローン機体が飛び出すことがないようになっていれば大丈夫ということになります。

(ドローン機体がネットの網目を通り抜けられてしまうようではダメですよ。規制の対象は200g以上の機体ですので、よっぽどのことが無い限り大丈夫だとは思いますが。)

仮に人口密集地域であったとしても、こういった施設内で繰り返し練習することによってドローンの飛行経歴として10時間をクリアすることも可能になってきます。

補足:飛行実績について知っておいたほうが良い予備知識

この操縦経験としての10時間以上の飛行実績は、一定以上のフライトスキルがあるという能力担保の意味合いを含んでいます。

その操縦経験ですが、実際のところは自己申告となっています。国土交通省から、特別に10時間以上の飛行実績を証明するよう求められることはありません。

私もこれまでそのような資料提出を受けた経験はありません。

なので、自力で頑張って10時間の飛行経験を積み重ねていくことということもできます。

飛行実績は、以下の3つの項目で各々記録していきましょう。

  • 総飛行時間
  • 夜間飛行時間
  • 目視外飛行時間

総飛行時間には夜間飛行時間と目視外飛行時間を含めることができます。しかし、夜間飛行時間を目視買い飛行時間に加えることはできません。もちろん、逆もダメです。”夜間”と”目視外”はそれぞれ独立した項目となっています。

ドローンスクールに通うのも一つの手

ただ、ドローンスクールが主催している講習を受けることで「10時間の飛行経歴を有する証明書」を発行してもらうこともできます。

みなさんの住んでいる地域の環境や、置かれている境遇などによって、どのように飛行経験を積み重ねていくかは変わってくることになります。

スクールが発行してくれた証明書は申請のときに提出ができます。

これをもって許可承認をとるだけの飛行実績があると証明できます。

実績を積むまでに手間や時間がかかる

ただし、短期間で10時間の飛行実績をクリアできるかというところについては人それぞれの状況によって違ってきます。

ドローンを飛行させるにしてもバッテリーの持続時間の兼ね合いから一度のフライトでよくても30分くらいが限界となってしまいます。

また、自分で保有している施設であれば別ですが、場所を借りるのであれば使用時間への制限というのも出てきます。

結局のところ10時間の実績を達成するためには、それなりの日数が必要となることを覚悟しておかなくてはなりません。

※ドローンの飛行経験がない方や操縦期間が短いといった方はスクールの無料体験へ参加するのもよいです。

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トイドローンを飛ばすことは操縦経験の10時間に含めることができるのか

トイドローンを飛ばすだけでは操縦経験の飛行実績にカウントすることはできません。

あくまで航空法で定められた無人航空機に該当するものとして200g以上(2022年6月からは100g以上)の機体で飛行させる必要があります。

というのも「200g未満」のドローンは無人航空機として扱われないためです。

「200g未満」ドローンは模型航空機に分類されてしまいます。

航空法で許可・承認が必要となってくるのは無人航空機であり、模型航空機ではありません。

なので、無人航空機としての飛行経験が要ると理解されます。

機体重量200gについては知りたい方はこちら

【ドローンの機体重量の意味】何gから航空法の申請はいるのか?機体重量の計算方法は??

飛行実績が10時間未満でも許可がとれる例外もある

原則10時間の飛行経験が必要となる許可・承認申請ですが例外もあります。 

  • 他の人が飛行エリアに侵入しないような補助者配置
  • ドローン機体にロープをつなぎ範囲外への飛び出しを制限する
  • ジオフェンス機能の活用

ただし、万が一の念押しとして経験が豊富な人が監督を行いながらの飛行をとるべきです。

より詳しく知りたいときは、次の記事が参考になります。(主にジオフェンスについての説明になっていますが、10時間の飛行実績がないときにどうすればよいのかについても書いています。)

ドローン飛行に使われているジオフェンス機能。機能の役割や申請時の活用法について解説。

想定されうるリスクの管理と、万が一リスクが発生した時の対応策を立案

実績がないというのは、行ってみれば経験が十分でないということです。

ドローンを飛ばすときにどんな危険(リスク)があるのか、以下に補足しておきます。

補足:リスクとは何か

そもそもリスクとはなにを意味しているのでしょうか。

辞書ではリスクという言葉の定義が次のように記されています。

危険の生じる可能性。危険度。また、結果を予測できる度合い。予想通りにいかない可能性。

引用:Goo辞書

この意味から、リスクとはこれから発生するものであると理解できます。

少し似た話として、実際に起こってしまった問題や災害などは何というかというとハザードと呼ばれます。 

実際に起こった問題なのか、はたまた起こりうる問題なのか、混同しやすい言葉ですね。

リスクという言葉の定義として「まだ起こっていないけど、起こると危ないな」というイメージで認識しておくと良いでしょう。

想定されるリスクに対してどれだけ配慮がなされているのか

結局のところは、飛行前におけるリスクマネジメントへの配慮がどれくらい行われているかが重要になってきます。

リスクマネジメントとは想定されるリスクを回避するようできる限りの対処をしておくことです。

また、万が一リスクが発生してしまったときにどうやって対応するかも想定しておかなくてはいけません。

思いつくリスクの数はといえば無限にあります。その中ですべてのものに対して対策を打つことは不可能に近いでしょう。

ただ、最低でも人に与える被害というのは必ず避けるような飛行を行うことが重要となってきます。ですので、機体の墜落をどうやって防ぐのか、かつ、仮に墜落しても人や物件にぶつからないようにするにはどうしたらよいかという観点での対応を考えていくことが大切ですね。

補足:機体が墜落する可能性について考えておく

そして次に機体が墜落する可能性としてはどういったパターンがあるのかを見ていきましょう。

まずは“機体の故障“や”GPSによる位置情報の喪失などによる制御システム不能“などがあげられます。

機体の故障ですと、フライト前のメンテナンスや機材確認などによって対策を打つことになります。

そして、GPSの位置情報の喪失などは、飛行させる近くにある建造物によって信号が途絶えてしまうなどということによって発生することもあります。(※ちなみにGPS信号はとても微弱であるため、まず屋内には届かないと思っておいてください。)

そして、送信機(プロポ)の信号が届かないほど遠くに機体を飛ばしてしまうという操縦者のミスということによる制御不能もありえます。

また、環境要因により強風が吹いているときや、雨など悪天候による視界不良ということも事故につながるリスクという見方もできるでしょう。

はたまた、同じ時間帯や場所においてドローンパイロットが機体を飛ばしていないかの確認も重要です。(※現状はFISSの導入によって、パイロット間のフライト情報を共有するように義務付けられています。)

※FISSの登録についてはこちらを参考にしてください

申請の後に登録が必要なFISSとは何か。役割や使用方法を行政書士が解説。

このように、想定されるリスクを書き出していき、各々のリスクが発生する要因を考えることによって対策を打つことは可能となってくるのではないでしょうか。

 まとめ

10時間の実績はドローン飛行申請のときにメチャクチャ重要です。まずは、実績をどうやって充たすかを考えていきましょう。ただ、ドローンを始めたばかりの段階では、何を考えたり、学んだりすればよいのか良く分かりませんよね。私も、初めはサッパリ理解できませんでした。まずは自分自身の周辺環境について調べてみるのがよいでしょう。人口密集地区であれば、かんたんに許可承認を取らなくても飛行できる場所がみつかる可能性が高いでしょう。逆に、都会であるとそうはうまくいかないので、スクールを探すという手段も選択肢に入ってきます。

もしも、どうしてよいのか分からずお困りの時は、お問い合わせフォームから質問してください。

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