意外と困る使用済みバッテリーの処理について。どうやって捨てるのが良いか。
2021/8/3
2021/08/03
ドローンも機械ですので消耗品の交換といったメンテナンスがいります。
部品の交換や処分をするのに難しいものとしてバッテリーがあります。
バッテリーをどうやって処分してよいのか分からずお困りではありませんか?
果たして、ドローンに使用されているバッテリーは一般ごみのように捨ててしまっても良いのでしょうか?
それとも何か特別な扱いのもと処分しなくてはならないのでしょうか?
結論から言うと、自分で処理するのは難しいと思っておきましょう。リサイクル業者へお願いして捨てるのが一番良い方法です。
Contents
ドローンのバッテリーをどうやって捨てるのか
一般ごみでは捨てられない
公共のゴミ収集で捨ててはいけません。
というのも、ドローンのバッテリーというのは一般の乾電池などとは仕組みや構造が違います。
ごみ収集のときに爆発や発火という事故につながることがあります。
バッテリーといっても種類はいろいろ
どのようなバッテリーが身近に使用されているのかを確認してみましょう。
ニッケルカドミウムバッテリー
電池自体の耐久性が高いので使いやすいという特徴があります。
ただし、デメリットとしてカドミウムという材質が人体に悪影響を与えてしまいます。
また、自然放電も大きいので、仮に電池を使わずに放っておいてもエネルギーを消費してしまいます。
ニッケル水素バッテリー
ニッケルカドミウムバッテリーが人体に悪いということで、最近では代わりにニッケル水素バッテリーが使われるようになってきました。
安全性も高く、コスト面においても安く作ることができるのがメリットです。
充電容量も大きいので長持ちするので経済的にも優しいという側面もあります。
リチウムポリマーバッテリー
リチウムイオン電池の一種です。
他のバッテリーよりもエネルギー密度が高いのが特徴です。エネルギー密度が高いということは、バッテリーの重量が軽かったとしても、よりたくさんのエネルギーを蓄えることができるようになります。
また、他のバッテリーと違って良い点として「メモリー効果」が発生しないということがあげられます。
メモリー効果とは
メモリー効果とは電池内にエネルギーが残っているのにもかかわらず、それらが放出できなくなることを意味します。
この現象がなぜ起こるかというと電池内に容量がたくさん残っている状態で、継ぎ足しで充電を行うことによって起こります。
結果的に、電池本来がもっている能力を発揮することができず、長持ちしなくなるということになります。
ドローンで良く使われているバッテリーは
ドローンで主に使われている電池はリチウムポリマーバッテリーです。
軽くて大容量のエネルギーを出力できるという特徴から、飛行の動力源として用いられています。
リチウムポリマーバッテリーを処分するのは難しい!?
ドローンでは主にリチウムポリマーバッテリーが使われています。
このリチウムポリマーバッテリーですが、他のバッテリーと比べても廃棄が厄介なところがあります。
というのも、その特性上によりバッテリー内部に高密度のエネルギーが残ってしまうためです。
例えば、仮に限度以上の急速な放電を行ったりすると発火の危険があります。
また、普段の取扱いでも外からの強い衝撃によって内部にダメージを与えることが無いように気を付けてください。
というのも、リポバッテリーの内部はフィルムの重ね合わせで出来ています。
そして、そのフィルムどうしが短絡(接触してショート)すると発火する可能性もあります。
リポバッテリーを処分する(捨てる)タイミングとは
ドローンの動力として十分な容量を取り出すこと(※飛行できる時間が短くなった)ができなくなったら廃棄しなくていけません。
それ以外としては、見た目に異常があるかどうかの判断も必要です。
その一つの代表的な例は“バッテリーが膨らんでいるかどうか“ということです、
しばらく使うことなく放っておくことは危険ですので、定期的に形のチェックはしておくことにしましょう。
あとは、膨らんできているのが確認できたときは早めに処分をするようにしたほうが良いです。
一番まずいのは発火や爆発を起こしてしまうことですので、安全上の管理として定期的な確認を心がけることをオススメします。
自分で処理するのは難しい?!
塩水での処理はどうなのでしょうか?良くドローンについて解説されている書籍なんかには塩水処理を行うことで処理できるように書かれています。
(※これは塩水に浸すことによって水分内に電流が流れでていくという原理になっています。)
良く見る内容としては5%の塩水に1週間くらい浸水させておきましょうというものです。
ただ、この5%の濃度で塩水を用意するのがそもそも難しくはないでしょうか。
一般の家庭で濃度計を持ち合わせているということはありませんよね。
それは企業でも、よっぽど必要でない限りは濃度計を持っていないと思います。
あるとしても、化学の研究やそれに近しい業務をやっている職場に限られてくるのではないでしょうか。
理論的に言えば5%よりもかなり高い濃度の塩水でも良いそうです。ただ、それでもどれくらいの塩の分量を加えればよいかという判断も難しいですよね。
(人によって感覚的な多い少ないは違いますので。。。キッチリ計算すればよいという考え方もありますが。。)
例え塩水に浸して放置することができたとしても、その塩水を捨てるのもどこに持っていけばよいのか分かりません。
というのも、塩水内に化学物質が溶け出してしまっているわけです。
決して、それらは人の体や自然に対して良いとは言えません。
結局はリサイクル業者へお願いするのが最善な判断でしょう。
(私も過去に自力で処分を試したことがありますが、化学物質が溶けでた水をどうやって捨てたらよいか分かりませんでした。結局は業者へ頼むことに。。。。。)
結局はリサイクル業者に頼むのが良い
上でも述べましたが、リサイクル処理が最もオススメの方法です。
その際ですが、まずはリサイクルマークが付いていることを確認しましょう。
リサイクルマークとは何か
リサイクルマークといっても素材によって若干マークが異なります。
それは、物の分別や再利用の方法を見分けるために行われています。
引用:JBRCホームページより
こういったリサイクルマークが付いている物を回収してくれる業者がありますので、そちらにお願いするのが、最も簡単で地球にとっても良い方法なのではないでしょうか。
JBRCに加盟している業者さんであれば、リサイクル品を回収してくれます。
そこで、JBRCに加盟している業者はどこかという話なのですが、良くある家電量販店などが該当します。
自治体が回収してくれる可能性は低い
ちなみにですが、市町村といった自治体が直接バッテリーを回収してくれるというところは殆どありませんのでご注意ください。
結局は、リサイクル品回収が可能な業者でなくては対応できないことになります。
中にはJBRCでも回収できない可能性もある
どんな物でも回収できるわけではありません。なかには一部回収不可のものもありますので事前の確認を忘れないようにしましょう。
JBRCとは
JBRCとは「Portable Rechargeable Battery Recycling Center」の略です。
(※社団法人です。)
「資源有効利用促進法」に基づいて設立されました。
事業の目的は、「小型充電式電池」のリサイクル活動を促進していくことです。
ドローンのバッテリーも「小型充電式電池」としてみなされます。
JBRCに登録された全国の加盟店は「ドローンのバッテリー」の回収をしてくれます。
ですので、もしも要らないバッテリーの処分に困ったら最寄りの加盟店へお問い合わせをするのが良いでしょう。
(※必ず回収してくれることは保証できませんので、まずは事前に回収可能かをご相談いただいたほうが良いです。)
使用済電池をどうやって業者へ持っていけばよいのか
まずは言うまでもないかもしれませんが、分別はちゃんとしておかないといけませんね。
あと、あとは絶縁テープで端子部分を絶縁しておくようにしましょう。
不法投棄は産業廃棄物処理法違反
屋外へ勝手に捨ててはいけません。
産業廃棄物として適切に処分しましょう。
補足:電池の雑知識
電池は大きく分類すると一次電池と二次電池に分けられます
一次電池
一次電池とは一度エネルギーを取り出してしまうと、再利用できなくなってしまうものです。一般家庭で使われる、マンガン乾電池やアルカリ乾電池などです。
二次電池
一次電池は使い捨てであるのとは異なり、二次電池は充電によって繰り返し使用することができるものになります。
まとめ
バッテリーを捨てるのであれば、リサイクル業者を見つけ出して依頼するのが最もよい方法です。私の経験を踏まえても、それがベストであると言えます。
まずは近くの業者を探して相談してみるのがオススメです。自力で処分してもいいのですが、思ったよりも難しいです。というのも塩水に浸すまでは良いのですが、そのあと化学物質が水中に溶け出してきます。(※間違いなく人体には悪い。。。。素手で触らないようにご注意を)
JBRC加盟団体を探したいときははこちらのサイトを参考にしてみて下さい。