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【空港周辺】飛行空域の判断は複雑。許可申請をする前提にして飛行計画を立てよう。

2021/8/8

2021/08/08

この記事の監修

行政書士/無人航空機従事者試験有資格者近藤 久夫

大学では理工学部機械工学科を専攻。卒業後は、半導体・液晶関連産業機械のエンジニアとして業務に従事。10年におよぶ技術系職の経験を有する。
2017年に行政書士資格を取得。技術と法律の相反する2つの視点から"空の産業革命と呼ばれるドローン産業"を支援している。

空港の近くでドローンは飛ばしてよいの?

飛行させるときはどんなことに注意すればよい?

許可をとらないといけないの?

空港の近くでドローンを飛ばすのに不安を感じませんか。もしも、飛行機とドローンが衝突してしまえば大事故につながります。とはいえ決して飛ばせないわけではなく、安全対策をして許可をとれば空港の近くでもドローン飛行は飛行できます。ただ、何よりも安全第一です。空港周辺の飛行においては「まずは許可申請をしないといけないものだと心得る」ことをオススメします。

正直、空港近くの飛行禁止空域を理解するのはとても難しいです。というのも決まりがイロイロ複雑になっているためです。もしも、「多分、大丈夫だろう」などという曖昧な理解で、申請せずドローンを飛ばしたら航空法違反だったなんてことも。また、最悪のケースは取り返しのつかないような事故(機体どおしの衝突etc)を引き起こすことです。

例え後で、手続き不要だと分かったとしても、それはそれで安心して飛ばせます。安心を得るというのも、決してムダではありません。

この記事を読むことで、空港周辺における飛行できる場所や、手続きの申請先が分かります。結論は空港周辺で飛ばすとき、管轄の空港へ申請し、その後に航空法の許可申請となります。

Contents

空港の近くで飛ばすときは、許可をとるべきと心得て計画を立てよう。

空港周辺を飛ばすときは管轄の空港への申請をしなくてはいけません。その後に、国土交通省の許可申請ということになります。言い換えると空港との事前調整が必要になります。

まず大切なのは「申請ありき」で計画をスタートするということです。というのも、万が一の事故や違法行為を防ぐためです。

そして、申請をするのに前提の知識は仕入れておきましょう。窓口担当の方へ申請の要不要を確認するときにきっと役立ちます。

ということで、以下本文に空港周辺飛行における申請でしっておくべきことを述べていきます。

◆航空法は空港周辺でのドローンを飛行を禁止にしている。

ドローンは航空法では無人航空機に分類されています。

そして、その無人航空機であるドローンを空港周辺エリアで飛ばすことができるのでしょうか。

まずは航空法で定められている“飛行が禁止されている3つの空域“から見ていきましょう。

  • 空港の周辺空域
  • 高さ150メートル以上の空域
  • 人口集中地区の上空

引用:国土交通省資料より

 これら3つの空域が飛行禁止であると、航空法では定められています。

空港周辺地域の飛行禁止空域を覚えるのはキツイ

どの範囲までが空港の周辺空域となるのかという疑問が生じてきます。

じっさい、規則において定められている空港周辺空域はとても複雑です。この飛行が制限された空域を理解するのに知らなければならない用語として以下があげられます。正直、これらを全て完璧に覚えるのは大変です。当然、知らないよりは知っておいた方が良いですが、最初のうちは中々頭に入ってこないのではないでしょうか?これらの用語を理解しておけば、どの場所であれば空港事務所の許可が不要かを判別できます。ただ、内容がややこしい分だけ間違った判断をしやすいところです。なので、慣れないうちは、「申請はしないといけないもの」として飛行計画を立てていきましょう

  • 水平表面
  • 進入表面
  • 延長進入表面
  • 転移表面
  • 延長進入表面
  • 円錐表面
  • 外側水平表面
  • 安全進入表面

ここから一つ一つの言葉の定義については後で説明していきますが、先ほども述べましたが、内容をちゃんと理解するのは大変です。(専門用語のせいか文字を眺めているだけでは良く分かりませんよね。。。)ですので、図で飛ばせないエリアをイメージできるようになってから、言葉の意味を覚えていくのがオススメです。

以下に図解を載せています。その図を専門用語に合わせて確認してみてください。

ただ、ここで注意なのですが、空港周辺の空域は次の2種類に分けられます。そして、その種類によって飛行禁止空域の定めが違っています。

  1. 東京・成田・中部・関西空港港及び政令空港
  2. 上の”1以外”の空港

ちなみに上のリストで出てくる政令空港は以下12空港です。

  • 釧路
  • 函館
  • 仙台
  • 大阪国際
  • 松山
  • 福岡
  • 長崎
  • 熊本
  • 大分
  • 宮崎
  • 鹿児島
  • 那覇

 

東京・成田・中部・関西空港港及び政令空港で定められている空域

次の図のように空域が定められています。

引用元:国土交通省の資料

ただし、これではどこが飛行できないのかサッパリ分かりませんよね。断面図として見ると分かりやすくなります。次の図を見てください。

 

東京・成田・中部・関西空港港及び政令空港以外の空港で定められている空域

 

引用元:国土交通省の資料

 

補足:表面の用語解説

水平表面

空港周辺で旋回するなど低空飛行の安全を確保する表面です。

高さは空港等がある標高から45m以上。その水平表面は、空港等の標点を中心として半径4000m以下の国土交通省令で定められている円周の範囲ですその半径内においては45m以上の高さでドローンを飛行させることができません。

また、高さ45m以上の建物等を建築することも禁止されています。飛行機が安全に離着陸を行えるように確保された領域です。ここで出てくる“空港等の標点“ですが、地理的に中心となる場所を示します。そして、その中心はおおむね滑走路の中心近くに設定されていることがほとんどです。

進入表面

滑走路の先にある飛行制限範囲となります。まず前提として、この進入表面は着陸帯の短編に接続しています。着陸帯とは飛行機が安全に着陸できるよう確保された場所で、滑走路の両端に設置されています。一定の幅と長さをもつ長方形であり、飛行機が滑走路から逸脱したとしても安全を確保できるように設計されています。簡単に述べると、飛行機が安全に着陸できるために確保された場所と言えます。そして、地上の水平面に対して50分の1の勾配を有する水平面で、その投影面が進入区域と一致しています。勾配が50分の1とは水平方向に50cm動いたときに垂直方向に1cm変化したときの傾斜です。

延長進入表面

進入表面を含む平面のうち、進入表面の外側底辺、進入表面の斜辺の外側上方(勾配50分の1)への延長線となっているところです。そして、その底辺に平行な直線でその進入表面の内側底辺からの水平距離が15,000mであるものにより囲まれている範囲をしめします。

転移表面

滑走路の横の飛行制限範囲です。着陸帯の長辺から外側情報への勾配平面であり、そこから水平表面までのエリアです。

もし仮に航空機が着陸を誤ったときには、一度機体を旋回させて体制を整えなければなりません。そのときに使用する飛行場所です。もっとわかりやすく言うのであれば、着陸をやり直すところということになります。

円錐表面

円錐表面は、水平表面の外縁に接続しています。そして、水平面に対し外側上方へ50分の1の勾配を有する円錐面となります。その投影面が空港の標点を中心として16,500mの半径で描いた円周で囲まれている範囲です。このエリアも航空機の離着陸の安全を確保するために必要な部分として指定されている範囲です。

外側水平表面

円錐表面の接続している水平面です。その投影面が空港の標点を中心として24,000mの半径で水平に描いた円周で囲まれている範囲です。こちらも航空機の離着陸の安全を確保するために設けられています。 

安全表面

空港等周辺に設けられた制限範囲すべてを総称したものを安全表面と呼びます。別名として制限表演とも表されます。この安全(制限)表面を越えなければドローンを飛ばすことは可能となります。ただし、万が一ですが航空機(旅客機など)との接触トラブルなどを考慮すると、このような場所でのドローン飛行は止めておいた良いでしょう。

安全(制限)表面の範囲は空港ごとで異なる。

実際の安全表面の範囲は空港ごとによって異なっています。どうしても空港の周辺地域でのドローン飛行が必要な時は、管轄の空港へ直接連絡をして確認しましょう。また、空港によっては航空法のみならず小型無人機等の飛行が禁止されているものもあります。

要するに小型無人機等の飛行が禁止されている空港のことです。そのような空港においてドローンを飛行させたいときは空港管理者の同意や管轄の都道府県公安委員会への事前に伝えたり等といった対応が必要になってきます。これは例え事前に航空法に基づくドローンの飛行申請許可を得ていたとしても求められるものです。ただ、航空法による許可を得ているだけで事が足りるということはありませんので十分に注意が必要です。

これに違反したときは「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処される可能性がでてきます。

小型無人機等飛行禁止法(ドローン規制法)の対象になっている空港もある。

この法律で定められた場所を飛行するときは通報が必要です。

小型無人機等飛行禁止法(ドローン規制法)について詳しく知りたい方はこちら

【小型無人機等飛行禁止法】許可があっても飛ばせない場所がある?航空法の例外に注意

小型無人機等飛行禁止法(ドローン規制法)の対象となっている空港では通報も必要

 次の8空港は小型無人機等飛行禁止法(ドローン規制法)の通報が必要です。通報は空港管理者へ行います。

  • 新千歳空港
  • 成田国際空港
  • 東京国際空港(羽田空港)
  • 中部国際空港
  • 大阪国際空港(伊丹空港)
  • 関西国際空港
  • 福岡空港
  • 那覇空港

機体重量に関係なく規制の対象となる。規制重量以下でも通報が必要

規制重量対象外のドローンであっても、小型無人機等飛行禁止法(ドローン禁止法)に入っている場所を飛行させるときには通報が必要です。(※令和3年時点においては200g以下が規制対象外)

機体の重量規制について詳しく知りたい方はコチラ

【ドローンの機体重量200gの意味】何gから航空法の申請はいるのか?機体重量の計算方法は??

まとめ

空港周辺は航空法で禁止された飛行空域です。ただ、慣れないうちは、どこからどこまでが空港周辺の飛行禁止空域を判断するのは難しいです。ですので、「多分大丈夫」という曖昧な判断で許可をとらずに飛行するということはやめましょう。

ドローンを飛ばすとき「許可がいるのか良く分からなくて不安」というときは下の「お問い合わせ」からご連絡下さい。

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