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【包括申請と個別申請の違いについて】ドローン専門行政書士が分かりやすく解説!!

2021/6/21

2021/08/02

この記事の監修

行政書士/無人航空機従事者試験有資格者近藤 久夫

大学では理工学部機械工学科を専攻。卒業後は、半導体・液晶関連産業機械のエンジニアとして業務に従事。10年におよぶ技術系職の経験を有する。
2017年に行政書士資格を取得。技術と法律の相反する2つの視点から"空の産業革命と呼ばれるドローン産業"を支援している。

いざドローン飛行申請をしてみたけど、申請方法の違いに困ったりしたことはありませんか。

許可申請にも包括申請と個別申請があります。

ただ、それら申請の意味がどれくらい違うのか良く分からないという方もいるのではないでしょうか。

この記事を読むことで包括申請と個別申請がどのように違うのか分かります。

また、包括申請と個別申請のどちらで申請すればよいのかを判断するのかも説明しています。

結論からすると、以下のように考えるのが最もシンプルで覚えやすいです。

  • 包括申請:繰り返し同じ方法や経路で飛行するとき
  • 個別申請:一回限りの飛行

「包括申請があれば個別申請はいらないんじゃない」と思われる方もいるのでしょうが、、中には包括申請ができないケースもあります。

Contents

包括申請と個別申請の違いについて

包括申請は同じ内容で繰り返し飛行するため、個別申請は一回限りの飛行を行うための申請です。航空法で制限された場所や方法でドローンを飛ばすときには国土交通省からの許可承認が必要です。包括申請と個別申請はいずれも、その許可承認をとるための申請方法です。許可承認をとるには航空法の内容について十分な理解がいります。まずは、そこを簡単に説明します。

許可申請が必要な空域は

許可申請を取らなくてはいけない空域は3つあります。

  • 空港周辺区域
  • 人口密集地区
  • 150メートル以上の高度

承認申請が必要な飛行方法

次の飛行方法を行うときは承認を受けなくていけません。

  • 夜間における飛行
  • 目で見える範囲外での飛行(※目視外飛行)
  • 人や建物から30メートル未満での飛行
  • 催し物など人が集まる上空
  • 危険物の輸送
  • 物や液体の投下(※物件投下)

どのようなときに許可承認が必要か知りたい方はこちら

【ドローン許可承認申請の基礎】まず覚えるべきは5つのポイント!ドローン申請専門行政書士が解説

包括申請と個別申請のどちらを選択するのか。判断する方法について

基本的な考えとしては包括申請をとっておいたほうが便利です。というのも1回の申請で最長1年間有効だからです。ですので、出来るだけ申請回数を減らしたいのであれば、まずは「包括申請をとることを検討し、それがダメならば個別申請で対応する」という流れにしておいたほうが良いです。

それでは、次から「どんなときに包括申請をすればよいのか」「個別申請しかできないケース」をみていきましょう。

包括申請を検討すべきとき

フライトは複数回に及ぶのか

同一の申請者が一定期間内に反復して飛行を行う場合又は異なる複数の場所で飛行を行う場合の申請は、包括して申請することが可能です

一方、個別申請はフライトを行うたびに申請をしなくてなりません。

飛行経路は決まっているのか

個別申請とは飛行する日付や飛行経路が決まっているときに行います。

包括申請とは異なり許可取得後にフライトの変更を行うことができないというデメリットがあります。

包括申請のメリットとは

包括申請のメリットとして、なんといっても申請の回数を1回で終わらせることが可能です。

また、仕事をしていると、急な依頼でドローンを飛ばさないといけなくなることがあります。そういったときに包括申請で許可を取っていれば早く対応できるようになります。

というのも、許可承認をとるのに最短でも10開庁日(※10営業日)かかるためです。

また、一定期間内においてのドローン飛行が許可されているため天候不良などによるフライト中止があったとしても、予定の立て直しを楽に行うことができます。 

包括申請といっても2種類ある

包括申請の中にも2種類の方法があります。

 期間包括申請

 一定期間内に繰り返しドローン飛行を行うときに選択します。

 飛行経路包括申請

 飛行経路は特定できないが、飛行想定範囲(県全域や市全域など)が分かり、複数回以上のフライトを行うときに選択します。

包括申請で認められる期間は 

ドローン飛行許可ですが、期間は原則として3か月以内とされています。

ただし継続的に無人航空機を飛行させることが明らかな場合には1年を限度として許可をうけることができます。

包括申請ができないのはどんなときか

いつでもどのような時でも包括申請ができるわけではありません。

業務の内容や飛行理由によって審査の難易度は変わってきます。

 人または家屋が密集している地域の上空で夜間に目視外飛行、催し場所の上空における飛行は包括申請をうけることができないとされています。

 分かりやすくまとめると以下のパターンでは包括申請の許可をうけられません。

  • DID地区+目視外飛行
  • DID地区+夜間飛行
  • 催し物の上空における飛行
  • 学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近

これは安全上の観点からみてもリスクが非常に高いためであると考えられます。

DID地区+目視外飛行”もしくは“DID地区+夜間飛行”を行うのであれば、個別申請をしなくてはならないことになります。

ただし、原則的に許可を取る難易度は相当高いでしょう。

よっぽどの安全対策を行ったうえで審査にかけてみるしかありません。

こんなときは目視外飛行とみなされてしまう

目視外飛行ですが、機体を肉眼で確認しないで飛行する状態です。なので、操縦用モニターを見ながらの飛行は目視外になります。

また、機体を直接目で見ることができないエリアを飛行することも目視外飛行です。

例えば、建物や木の背後に機体が入ってしまうなどや、自分の目で見えないくらい遠くまでドローン機体が飛行してしまうことも目視外の飛行とみなされます。

催し物の上空を飛ばす目的で包括申請できない

フェスなどといった野外音楽ライブその他の催し物の上空を飛行させるときは、包括申請ができません。

必ず個別申請をしておかなくてはいけません。

そして、そこで“いつ“、”どの場所で“、”どのイベントで“、”どういった安全上の対策を施すのか“といった部分を細かく定めなくては許可が下りないということになります。

以前は包括申請が認められていた

ただ、最近では催し物の上空における飛行は審査がとても厳しくなっています。

これは以前にドローン墜落事故があったことによる影響により思われます。

2017年の岐阜県大垣市で開かれたイベントがとても有名です。

イベントの上空からお菓子を撒くというものでした。

その会場には子供約100人とその家族約600人が来場していました。

その中で起こった墜落による人身事故です。

人込みの上をドローン機体が飛ぶということに対する、安全性の確保を認識させられた一件です。

航空局標準マニュアルの内容にも目を通しておこう

 国土交通省が公開している航空局標準マニュアルにはこのように書かれています。

3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制

第三者の往来が多い場所や学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近は飛行させない。

引用:国土交通省航空局「航空局標準マニュアル」より

学校や病院の上空、または、その周辺地域での飛行においては包括申請ができません。

これは、飛行エリアがDID地区であるかどうかは関係ありません

このように書いてあるときは個別申請を出さなくてはなりません。

提出する飛行マニュアルと内容がかみ合わないことがないように注意しましょう。 

業務目的の申請でないと包括申請できない

包括申請は業務のみで取得可能です。趣味目的ではとることができないことに注意しておきましょう。趣味目的による飛行は個別申請を行わなくてはなりません。

包括申請は地域や日程は柔軟に決めることはできますが、操縦者や操縦機体については特定しておかなくてはいけません。

また、安全性の対策やその確保、および、操縦者のもつ飛行経験や技術について厳しく審査されます。

しかし、許可の条件をみたしていれば一定の期間は繰り返しドローンを飛行させることができます。そう考えると難易度が高い分だけの利便性はあると言えるでしょう。

じっさいに飛行させる10開庁日前までに申請

実際に飛行させる前の10開庁日まえまでに申請は行いましょう。

開庁日とは役所(航空局)が開いている日を意味します。

ですので、土曜日・日曜日は役所が開いていないことを加味するのであれば2週間前までに申請を行わなくてはならないことになります。

補足:飛行経験10時間が必要

許可の申請にあたり10時間以上の飛行経験が必要になります。

ドローン操縦に熟練した人が監視のもと所定時間以上の訓練を事前に行っておきましょう。

この訓練は実際のドローン機体を飛行させなくてはいけません。シュミレーターなどといったバーチャルによるトレーニングは訓練時間にはカウントされません。

夜間飛行や目視外飛行については必要な訓練時間の定めはありません。

ただ、安全なフライトを行うためにも事前の訓練は受けておいたほうがよいでしょう。

補足:どうやって飛行経験を積むか?

飛行訓練を行う場所ですが、原則的に屋内で実施することが求められます。

この屋内という定義ですが、四方をネットや金網などで覆われた空間も含まれることになります。具体的な例として挙げるのであればゴルフの打ちっ放し練習場も屋内として取り扱われます。

また、夜間飛行の訓練としては屋内を真っ暗にして行うという方法も該当します。要するに夜間と同じ暗さにして飛行させれば良いということになります。

そして、目視外飛行の訓練を室内で行うときは、強制的に機体を視界から外して行うことで可能となります。

例えば、操縦者が壁側を向いてモニターの画像のみを頼りに操縦するといった具合に行います。

審査に時間がかかることもありうる

申請する時期やタイミングなどにもよりますが、申請の許可が下りるまで時間がかかることもあります。

申請するのがギリギリになると予定していた日までに許可がもらえない可能性もあり得ます。やはり1か月異常は余裕をもって申請することをオススメします。

操縦者や機体の情報はしっかり決めておく

申請によって定められた操縦者は同一でなくてはいけません。

また機体の詳細情報などといった内容も決めておくことが求められています。

法人(会社)でも個人でも包括申請できる

業務であれば法人(会社)でも個人でも包括申請はできます。

申請の難易度に違いはない 

包括申請と個別申請によって申請の難易度に違いはありません。

しかし、包括申請よりも個別申請を行った方が内容を具体的に定められます。

その分だけ審査はスムーズに行われます。

ただ毎回申請を行わなくてはいけないのは煩わしく、時間や費用もかかります。

条件を充たすのであれば包括申請を行った方が良いでしょう。

まとめ

    包括申請がとれるケースでは、積極的に包括申請をとりましょう。包括申請で許可を持っていれば急な仕事の依頼にも対応しやすくなります。包括申請をとったうえで、必要に応じて個別申請をするというのがオススメです。包括申請を取っていたとしても、有効なのは最長1年ですので期限をむかえるときには更新が必要になります。

    弊所ではドローン申請の代行を専門として行っています。「どのように申請手続きをすればよいのか分からない」「申請手続きを外注したい」という方はご連絡下さい。

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