【ドローン許可承認申請の基礎】まず覚えるべきは5つのポイント!ドローン申請専門行政書士が解説
2021/6/14
2021/09/07
ドローンを買ってはみたけれど、次のようなことで悩んでいませんか?
- ”どこで””どうやって”飛ばしてよいか分からない
- どんなときに許可や承認の申請がいるのか分からない
- 違法に飛ばしてしまうことが怖い
実はドローンを飛ばすためには航空法の知識が必要です。
なぜなら、航空法の知識がないのにドローンを飛ばすと航空法違反で罰則をうける可能性があるからです。規制されている場所を無許可で飛ばせばそれだけで違反ですし、例え許可承認を取っていても申請内容と違う飛行をしてしまうと違法になってしまいます。
私は行政書士の資格を持ち、みなさまがドローンを飛ばす許可承認申請をサポートしています。自分自身、趣味レベルですがドローンユーザーという側面も持っています。
この記事ではドローン飛行に関する申請に必要な知識を学ぶことができます。結論ですが、まず重要なことは航空法に書かれているのを理解しておくことです。それだけで、申請書類を作り上げるための基礎知識を身に着けることができます。
読み進める中で、どうしても難しいというときは専門家への依頼を検討してください。
Contents
申請するうえで知っておくべき基礎知識【行政書士による解説】

ドローンの飛行申請で重要なのは次に挙げている5つです。
これらの重要ポイントについて本文にて詳しく解説しています。
- 申請書はどこへ提出するのか
- どんな法律で規制されているか
- 法律で規制される機体重量は
- 航空法で禁止されている空域は
- 航空法で禁止されている飛行方法は
ドローン飛行申請における主な法律は航空法です。許可承認を取るためには申請書類を作成し提出しなければなりません。
その書類をつくるために最も大切なのが航空法の知識です。なので航空法の知識があれば申請をスムーズに早く行うことができます。
それでは詳しい内容を見ていきましょう。
どの役所へ申請しなくてはいけないのか?
法律で制限されている飛行を行いたいときは、行政(役所)へ申請してドローン飛行の許可や承認をとらなくてはなりません。そして、許可や承認を出すのは国土交通大臣です。
許可や承認といった規制がかかっている理由
なぜ申請して許可や承認を得なければならないのかを考えてみましょう。確かにドローンという機械を飛ばすことにより便利になった側面があります。その一方では飛行によって引き起こされるリスクが伴うことを忘れてはいけません。
ここでいう主なリスクとは飛行しているドローンが人や建物などが接触するという問題が挙げられます。また、中には機密情報の漏洩といったことも考えられるでしょう。
そういった問題を回避するために法律上で飛行の制限があり、その制限を解除する場合は行政への申請による許可や承認の取得があると考えておきましょう。
ドローンはどの法律で規制されているのか

航空法によって規制されている
ドローンを飛行させるのにまず覚えるべき法律は航空法です。この航空法ですが正しくは「航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律」と呼ばれます。
航空法の中に ドローンという表記はない
そして航空法の中で、無人航空機というカテゴリーが定義されています。
そのカテゴリー定義ですが「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人がのることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(200g未満のもの、ただし2021年時点における重量規制。将来的に変更となる可能性があり。」とされています。
機体の重量によって規制が変わる
ここで注目すべきこととして「200g(グラム)未満」という重量を見ていくことにしましょう。
現時点の航空法において「200g未満」のドローンは無人航空機に該当しません。
それらのドローンは無人航空機ではなく模型航空機として扱われています。
言い換えると200gを超えるドローンについては無人航空機であるので、飛行させるときは申請による許可を取得しなければなりません。
( ※注意しておかなくてはならいのは、これからも200g未満のドローンであっても許可が不要なのかということです。ここは法改正によって規制の内容が変わる可能性があることを十分に理解しておくべきです。)
ただし、ここでもう一つ注意しなければならない点があります。
それは「200g未満」であれば常に許可が不要なのかということです。
空港周辺やある一定以上の高度による飛行を行うときは、国土交通大臣からの許可が必要になってきます。
ここでいう一定以上の空域ですが「地表又は水面から百五十メートル以上の高さの空域」です。たとえ200g未満のドローンであろうと航空法第九十九条の二が適用されますので注意が要ります。
法律で規制されている飛行禁止空域について
飛行の禁止空域について見ていくことにしましょう。
禁止されている空域は3つ
飛行が禁止されている空域は3つあります。
(※これら3つの飛行が禁止されている空域でドローンを飛行させたいときは許可申請をとらなくてはなりません。)
- 地表又は水面から百五十メートル以上の高さの空域
- 人または家屋の密集している地域の上空(※DID地区)
- 空港周辺空域
これらの飛行が禁止されている空域とは、例え自分自身が所有している土地であっても適用されます。
仮に自宅の庭で地上から百五十メートル上空へドローンを飛ばすとしても申請からの許可取得を行わなくてはいけません。
また、たとえ百五十メートルも飛行させないとしても、自宅の私有地が「人または家屋の密集している地域」に該当するときは許可が求められます。
ここで述べられている飛行が禁止されている空域ですが一部例外もあります。それは、飛行空域の四方が囲まれた空間となっている場合です。
もう少し具体的に書くとすれば、建物内、倉庫内のスペースにてドローンを飛行させると表現すれば分かりやすいでしょう。
また、どの程度囲まれていなければならないかですが、ドローンの機体が飛行中に外部へ抜け出ていくことができないような状態であれば良いとされています。要は、ドローンより大きいサイズの窓や出入り口がないということです。
さらに言うのであれば、扉といった物理的な閉鎖空間を作り出すことができれば許可承認を取らなくても大丈夫となります。
空港周辺地域での規制
空港周辺地域は、規制されている空域が複雑です。
補足
飛行禁止の空域を説明するために国土興津省から図を引用しました。
国の重要施設、外国公館、原子力事業所、緊急空域については別記事にて解説していますので、それらを確認してください。

※国会議事堂、首相官邸、原子力発電所の飛行についてもっと詳しく知りたい方はこちら👇
人または家屋の密集している上空とは?
人または家屋の密集している地域の上空ということですが、これについては国勢調査の結果により指定されている人口集中地区となります。
この人口集中地区はあくまで国勢調査の統計処理によって算出されています。ちなみに別の呼び方としてDID(Densely Inhabited District)地区という言葉があります。
禁止されている飛行方法とは
次に航空法において禁止されているドローンの飛行方法についてです。
禁止されている飛行方法は6つある
ここで禁止されているものとして6つの飛行方法があります。
※厳密にいうと法律では10項目が禁止の飛行方法として述べられています。ただ、飲酒をしながら、機材のメンテナンス不足、事故予防への対策が不十分といった、当然に禁止とみなされる項目は省いております。
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または物件の距離が30メートル以内での飛行
- 多くの人が集まる催し物の上空での飛行
- 危険物の輸送
- 物件を投下
禁止されている飛行方法を行うには承認申請が必要
※これらの禁止された方法での飛行を行いたいときは国土交通大臣へ申請して承認を受けなければなりません。

夜間飛行
これは読んで字のごとく夜間における飛行です。日中に飛行させるとき許可は必要ありません。この日中というと日の出から日没までと考えておけば良いです。
日の出・日没の時刻を知りたいときは、国立天文台のウェブページが参考になります。「暦計算室」というサイトで日時と地域を指定することで日の出・日没の時刻を調べることができます。
日中と比較すると、日が暮れた後の薄暗いまたは真っ暗な状態での飛行は操縦難易度がかなり高くなります。当然に事故につながる可能性も上がってきますし、飛行中に操縦者が機体を見失ってしまうということも起こります。
仮にライトなどの光によってドローン機体を照らしたとしても、国土交通省への承認申請が必要になってきます。
ライトの光が確実に安全な飛行を約束するわけではありません。逆にライトによる視界不良を引き起こしてしまうこともありえるでしょう。
※日の出・日没の時刻を調べたい方はこちらの記事を読んでください。
目視外飛行
ドローンの飛行方法としては目視できない方法での飛行は禁止されています。目視できないとは言い換えると直接肉眼で確認できない状況を意味します。
そのため目視ができる範囲内においては承認が要りません。ここで言う目視ができるというのは、操縦者本人が常時そのような状況下でなくてはいけません。自分の目でドローン機体を確認できることを意味しています。
ただ、ここでの難しいものとして、何が“目視できない状況下“を意味するかを洗い出すことです。例えば、操縦者自身の視力、飛行当日の天候、ドローンや関連機材のデザイン、ドローン機体のスペックなどを加味したうえで考慮しなくてはならないためです。
飛行するのに最も大切なことの一つとしては、事故を起こさない、いわゆる安全を守ってドローンを飛ばさなくてはいけません。
ですので、これらの条件によっては“目視できる”“目視できない”が変わってくることも念頭に置いておいた方が良いでしょう。
ちなみにですが、モニターやFPVゴーグル越しでのドローン機体を監視することは目視外になります。目視外による飛行は万が一の危険があったときに、素早く回避できないためです。
人または物件の距離が30メートル以内での飛行
人や建物等とは飛行する距離が30メートル以上離れていなくてはなりません。
ドローンが人や建物に接近した状態で飛行するということは、その分衝突するリスクが高くなります。また、ここで述べられている人は、まったくの第三者の人間と理解しましょう。
分かりやすく言うと、ドローンを操縦する人や操縦をする人は、ここでいう人には該当しません。ドローンの飛行にたいして、直接的または間接的に関与していない人であると理解できます。
一方、ここでいう物件とは車や鉄道といった車両、および、ビル・住居・工場などの建築物を意味しています。もう少し理解を広げる意味でいうと工作物とも述べることができます。ただし、土地、堤防、土地と一体となっている線路、自然物などは物件には該当しません。
多くの人が集まる催し物の上空での飛行
人が多く集まるイベントです。そのような場所で行われる催し物でドローンを飛行することは禁止されています。
催し物の例としては、野球・サッカーといった屋外スポーツや野外音楽フェスなどです。他にも、運動会といった学校イベントや結婚式での催し物なんかも含まれてきます。
どうしても、ドローン飛行が必要ということであれば国土交通省の承認がいります。これは例えイベントの主催者が許可を出したとしても、国土交通省への申請が必要になってきます。
危険物の輸送
危険物の輸送は禁止されています。危険物とは爆発する可能性があるものや、燃えやすいものと考えましょう。ガソリン、火薬、石油といったもので、可燃性が高いものです。ただし飛行に使用されている燃料やバッテリーは輸送が禁止されている物には該当しません。
物件を投下
物件の投下は人や建物への損害が発生する恐れがありますので禁止されています。
この物件の投下とは、ドローンが一体となっていた物を飛行中に切り離す行為を意味します。切り離した者は自重によって地上もしくは水上へ落下していくことになります。それによって引き起こされる危険を回避するために禁止されています。
また、機体が一体になっている物件を切り離すということで、ドローン全体の重量が大きく変化することになります。それによって、飛行中の機体バランスが崩れることによって事故につながる恐れもあります。
ちなみにですが、ここで述べられている物件とは個体状のものもあれば液体状のもの含まれます。分かりやすい例でいくと、農薬などが挙げられます。
まとめ

主に航空法でドローン飛行申請に関する内容を解説してきました。
ここで書いてあることが申請書を作成するうえでの予備知識として必要です。
ただ、ふだん法律に馴染みがなかったり、書類を作ることが苦手だという場合は、面倒な作業です。
また、他の仕事で申請まで時間をかけていられないというケースもありませんか。
相談は無料です!!
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