申請の後に登録が必要なFISSとは何か。役割や使用方法を行政書士が解説。
2021/7/9
2021/07/24
FISS(ドローン情報共有システム)が義務化となったのは令和元年7月26日からです。
これによって他の人が行う無人航空機の飛行場所や時刻、そして、自分自身の飛行計画を他の人と共有できるようになりました。
この記事ではFISS(ドローン情報共有システム)とは何か、また、どのように使うのかを解説していきます。
Contents
FISS(ドローン情報共有システム)について
FISS(ドローン情報共有システム)の目的
事故防止や安全確保が主な目的です。
ここ数年で無人航空機が普及し、飛行する機体の数が年々増え続けています。
そのため空中における飛行機体がぶつかりそうになる(※いわゆるニアミス)という問題が発生するようになりました。
衝突事故を回避するために、お互いの情報を共有しておくという大切な役割を担っています。
※FISS(Fright Information Sharing System:ドローン情報共有システム)
申請から飛行までのプロセス
下の手順は申請から飛行するまでの流れです。
ここで分かるようにFISSへの登録は飛行実施前です。
- 許可承認申請
- 許可承認の取得
- FISSに飛行計画を登録
- 飛行の実施
※以前までは3か月に一度の飛行実績報告が求められていましたが、2021年4月1日からそれは不要となりました。
アカウントを作る方法は2種類
アカウントの作り方ですが二通りあります。
※どちらが良いかはは個人の好みや慣れているかどうかの判断でよいでしょう。
- 新規でIDとPassword設定を行うもの(※厳密には登録e-mailアドレスがID代わりとなる)
- DIPSのIDとPasswordと連携させる
実際の使い方について
飛行計画入力について
飛行計画登録をクリック
飛行する住所地を入力する
画像で指定しているところをクリック
飛行エリア、高度、日時etcの登録
飛行エリアを特定し高度を入力
飛行するエリアを地図上に記入します。正円で描くことも可能し、フリーハンドでの記入もできます。それと合わせて飛行高度も入力します。
日時と飛行期間入力
日時情報を入力しましょう。“何月何日の何時“から飛行するのか決めておかなくてはいけません。
それと合わせて何分のフライトを行うかも入力します。このシステム上では期間という単語で表されています。
操縦者名と機体情報
操縦者名と機体情報も入力が必要です。
この情報で“誰”が“どの種類の機体”を飛行させるかが、他の人に分かるようになります。
ルールを入力
どういった飛行を行うかです。これは飛行する目的によって違ってきます。各々のケースに合わせて入力していかなくてはなりません。
間違っても、ここで入力したのと違う方法で飛行させることが内容に記入しましょう。
他の操縦者の飛行計画を確認する方法
飛行計画参照を選ぶ
日付と時間の入力
自分自身が飛行する予定の日付と時間を入力します。
“From~To“となっているので”いつからいつまで“という期間を定めることができます。
このときですが、実際に飛行するエリアを地図上に表示させましょう。
抽出ボタンを押す
日付、時間、場所の情報が決まったら抽出ボタンを押します。
抽出中はインジケーターが表示
抽出が完了するまで待ちましょう。※システムが重いと時間がかかることもあります。
フライト情報の表示
フライト情報が表示されます。
フライトが行われる場所には“紙飛行機“のマークがあります。
飛行範囲を確認
地図を拡大することで飛行予定のエリアが確認できます。
下図の四角で色付けされたエリアにてドローン飛行が行われると認識できます。
詳細情報の確認
紙飛行機マークをクリックすることでより詳細な情報が分かります。
詳細な情報とは、実際に飛行か行われる時間や高度などです。
まとめ
ポイントは次の二つになってきます。
- FISSに登録することは義務(※行わなくてはならない)。
- 許可申請→許可取得→FISSへの登録→飛行(※この手順を覚えておくこと)
※追記
このFISSについては義務化されているといってもあくまで自己申告です。
中には、航空法の規制とは合わない飛行計画が入力されているものもありそうです。
これはシステム操作や運用上の使い勝手や、入力者がパソコンに不得手であるということが影響しているのかもしれません。
現時点(※2021年6月)においては、各々の飛行計画において厳密なチェックが行われていないようです。仮に航空法に合わなかったり、安全性を欠いた飛行計画でも登録ができてしまいます。
(※なかには高速道路の上空が飛行エリアに入っている計画が登録されています。これはちょっとリスクが高い飛行になってきます。また、バッテリーがそんなに持つのかというくらい異常に広い飛行エリアがとられているものもあります。)
ただ、今後の運用状況によってはそれも改善されていることになるでしょう。
規制の範囲内で安全性に十分配慮した飛行計画を入力することが求められるようになってくるかもしれません。
もっとも気を付けなければならないのは、衝突などといった事故を避けることにあります。
そうった意味においては、法規制、リスクマネージメント、ドローン機体についての知識を
更新し続けることは大切になってきますね。