【ドローン法規制】レベル4飛行とは?なぜ法改正により実現化を目指すのか?

2021/8/26

2021/09/09

この記事の監修

行政書士/無人航空機従事者試験有資格者近藤 久夫

大学では理工学部機械工学科を専攻。卒業後は、半導体・液晶関連産業機械のエンジニアとして業務に従事。10年におよぶ技術系職の経験を有する。
2017年に行政書士資格を取得。技術と法律の相反する2つの視点から"空の産業革命と呼ばれるドローン産業"を支援している。

2022年のドローン法改正では、レベル4飛行の実現が重要テーマとして挙げられています。

そこで、レベル4飛行が何か良くわからないという疑問はありませんか?

。結論ですが、レベル4飛行とは、現行の法律では不可能な飛行方法を意味します。そして、そのレベル4飛行が可能となるように制度設計を変更することです。 

この記事を読むことでレベル4飛行とは何かを知ることができます。また、どんな目的でレベル4飛行を実現させようとしているのかを考察しています。

Contents

レベル4飛行とは?なぜ実現化を目指しているのか?

 

飛行レベルは1~4で分類されている

この記事で取り上げているのはレベル4飛行です。ただ、いきなりレベル4飛行と言われても「何を意味しているのか分からない。。。。」という方もいると思います。

文章で長々と書くと分かりにくいので、次の表にレベル1~4の飛行をまとめました。

レベル1 目視内飛行(※操縦者あり)
レベル2 目視内飛行(※自動操縦・自立飛行)
レベル3 目視外飛行+無人地帯(※補助者なし)
レベル4 目視外飛行+有人地帯(※補助者なし)

レベル4飛行の実現によってどのような社会になっていくのか

国土交通省の資料を見ると、将来展望の図が掲載されています。その資料より以下に挙げる分野での利用が期待されています。

  • 物流
  • 警備
  • 点検
  • 災害対応

 

引用:国土交通省 ドローンの利活用促進に向けた技術開発について

飛行の危険度によってカテゴリーが分かれている

国土交通省の資料によると、危険度の高さによって飛行レベルのカテゴリー分けがされています。

  • カテゴリーⅢ:リスクが高い飛行
  • カテゴリーⅡ:リクスが中程度
  • カテゴリーⅠ:リスクが低い

では、何を持って危険度を表しているのでしょうか。これは、国が考えている、これから行おうとしているドローン技術の社会実装を踏まえて設定されているでしょう。 

レベル4飛行とはカテゴリーⅢに分類される飛行

次の図を見ると、カテゴリーⅢの飛行態様に“第三者上空を飛行、かつ、立ち入り管理措置を講じない”と記入されています。言い換えると、“人口密集地+補助者なし”のことを“高リスク飛行”とし“カテゴリーⅢ”として表しています。今の法律では“人口密集地+補助者なし”の飛行は許可承認を取れません。

引用:国土交通省 中間とりまとめ骨子(案)説明資料

 このカテゴリーⅢ分類の飛行を2022年の法改正によって実現可能にしようとしています。

カテゴリーⅡは許可承認をとることで可能となる飛行

今の法律で、航空法の許可承認を取ることによって実現できる飛行をカテゴリーⅡに分類しています。 

カテゴリーⅠは許可承認が不要な飛行

カテゴリーⅠは航空法の許可承認がなくても可能な飛行です。例えば、非DID地区(人口密集地域でない場所)で日中における飛行などが当てはまります。

なぜレベル4飛行が必要なのかを考察

なんでレベル4飛行を実現しようとしているのかを考えてみます。パッと思いついたのは、「より便利な社会にしよう」ということ。ただ、「今のままでも十分便利」という見方もあります。ここは国が何かしら社会的な課題を明示しているのではという観点で調べたことを勝手に考察しています。

レベル4飛行実現させたい背景にある人口減少という課題

日本では毎年40万~50万人ずつ人口が減少しています。これは鳥取県の人口に近い数です。言い換えると、毎年日本から一つの県が消滅しまっているような状況です。

課題の多い過疎地での活用

過疎地における課題は総務省で取りまとめられています。

★☆過疎地域などにおける今後の集落対策のあり方についてとりまとめ

過疎化による最も大きな課題は働き口の減少です。人口減少に歯止めのかからない過疎地を何とかしたいという国や自治体の意図を感じます。

省人化によるメリット

国土交通省や総務省の出している資料から、機械化によって労働力を補うことが目的になってきます。そして、それに得られるとして次の3つが挙げられます。

  • 機械化により人手不足の解消
  • 人間による労働を省くことによる人件費削減。
  • 時間短縮による生産性アップ

レベル4飛行を実現させるのに検討するべき3つの課題 

人口密集地や、同じ場所における複数台の機体を飛行させるなど、より高度な技術が必要になります。機体の操縦もパイロットではなく自律飛行となるでしょう。そこで、現在抱える課題は何かについて考えてみました。(これは筆者が勝手に思いついたことを書いています。)

  • 社会的な利用価値はあるのか
  • 空の運用ルールをどうやって作っていくのか
  • 安全の適合性を充たすことができるのか
社会的な利用価値があるのか

人が立ち入れないような危険地帯もドローンであれば潜入できるので、災害地の人命操作や、事後調査などこれから活躍の範囲は広がっていくのではないしょうか。また、労働力不足による省人化という意味では利用価値は高いと考えます。

空の運用ルールをどうやって作っていくのか

ドローンの利用頻度が増えれば、よりルールが細かくなっていくのではと考えます。同じエリアを複数台の機体が飛ぶということを想定すると、各々が思いのまま勝手に動くのは危険です。事故発生などのリスク確率を低くするためにも、規制は厳しくなると推測します。

安全の適合性を充たせるのか

安全面を考えると、ドローン飛行の機体性能、電波の混信による動作不良、電波傍受に対するセキュリティ強化などを想定しています。やってみないと分からないことが多々ありますので、現場運用しながら、発生した問題を潰していくということになってくるでしょう。技術開発が、新しく定められる規制内容と合うのかというのも重要になってきます。

まとめ

レベル4飛行とは今の法規制では認められていない飛行方法です。ただ、それは次の法改正で実現可能とできるように動いている途中です。それが求められるのかを社会背景から考えると、日本が抱える人口減少問題が見え隠れします。レベル4飛行の実現には新しい規制導入が必要です。そして、その後に新しいルールが社会実装されていくことになります。それによって人々の生活において良い面と悪い面の両方が浮き彫りになってくるでしょう。もしかすると、これから私たちを取り巻く環境は大きな変化を迎えるかもしれません。まだ、2022年の法改正も大枠が決まっているだけで詳しい部分が見えてきていない現状もあります。

この記事で考察したのは、「人口減少の解消」との因果関係だけです。もっと違ったことが、新制度導入のキッカケになっていることもありえます。今後も、社会背景と照らし合わせながら、法改正の流れを見ていきたいと考えています。

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